美容サロンの開業に必要なものまとめ!資格や資金などの準備と流れ、潰れないサロン開業のヒントも
最終更新日:2024年09月20日
美容が好きで、将来的に美容に関するビジネスを始めてみたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、美容サロンの開業に必要なものを資格や資金などに分けてご紹介します。具体的にどのように準備を進めれば良いのかが分かる開業の流れや気になる年収のこと、潰れない美容サロンを開業するためのヒントまで解説していますので、ぜひご活用ください。
目次
美容サロンを開業するメリット
美容サロンの開業には数々のメリットがあります。
そのなかでも特に注目すべきは、以下の点です。
- 未経験者でも挑戦しやすい
- 自由度が高い
- 収入アップにつながる
それぞれ解説していきます。
未経験者でも挑戦しやすい
美容サロンの開業は、未経験者でも挑戦しやすいです。
その理由の一つには、美容サロンの開業には国家資格を持っていなくても開業できるケースが多いことが挙げられます。また、施術者としてや経営者として必要な知識・スキルは、専門の教育機関やオンラインコースで学ぶことが可能です。
このように、専門的な資格が必要な美容ビジネスと比べて開業ハードルが低く、必要な知識やスキルを習得する環境も整っているので、美容サロンの開業において経験者であるかどうかはさほど重要ではないと言えます。
自由度が高い
自身の美容サロンを開業するということは、サロンの運営方法や提供するメニュー、店舗のデザインなど、全てにおいて自由に決めることができるということです。
たとえば、自分が提供したいサービスに特化したサロンを開くことも、自分の価値観を反映した独自のブランドを構築することも可能です。理想とする働き方やライフスタイルの実現もしやすいでしょう。
自由度が高い反面、美容サロンを開業する上での責任やリスクは全て自分で負わなければいけませんが、市場調査や顧客のニーズに対応した戦略を練ることで成功を掴める可能性も多いにあります。
収入アップにつながる
美容サロンの開業は収入アップにつながるというメリットもあります。
自分のサロンを持つことで働いた分だけ直接的に収益が上がるので、スタッフとして雇われた状態で働くよりも大きな収入が期待できるからです。
さらなる収入アップのためには新たなサービスを提供したり、効果的なマーケティング戦略を実施するなどの施策が有効。ただし、安定した収入を確保するためにはコスト管理や顧客満足度の維持といった要素も重要となります。
つまり、美容サロンの開業には収入アップのチャンスがある一方で、ビジネスとして成り立たせるための知識とスキルが求められるということです。
美容サロンの開業に必要な資格
美容サロンを開業するためには、どのような資格が必要になるのでしょうか。
資格が必要・不要なケースについて具体的に解説します。
美容サロンの種類によって資格の有無が異なる
結論から言うと、「美容サロンの種類によって資格の有無が異なる」です。
美容サロンと言っても種類はさまざまで、国家資格が必要なサロンと不要なサロンが存在しています。
美容サロンの種類 | 国家資格の要否/必要な資格の名前 |
---|---|
エステティックサロン | 資格不要 |
ネイルサロン | 資格不要 |
リラクゼーションサロン | 資格不要 |
脱毛サロン | 資格不要 |
ヘアサロン | 美容師免許 |
アイラッシュ(まつ毛)サロン | 美容師免許 |
国家資格が不要な美容サロンも多いですが、提供するメニューによっては資格が必要な場合もあるので注意が必要です。また、エステティシャンの資格やネイリストの資格など、持っていることで顧客からの信頼度や集客力の向上に役立つ資格もあります。
美容サロンには看護師資格は不要
美容サロンの開業には、看護師資格は必要ありません。
美容業界での看護師資格は、医療行為を伴う場合(実際に治療を行うのは医師)に必要となります。そのため、美容のための施術を行う一般的な美容サロンでは、看護師資格は必要ないのです。
看護師資格は美容サロンには不要で、美容クリニック(美容皮膚科や美容整形外科など)では必要と覚えておくと良いでしょう。
美容サロンの開業に必要な資金
美容サロンを開業するにあたって、資金がいくらくらいかかるのか気になっている方がほとんどでしょう。
こちらでは、美容サロンの開業資金(初期費用)と運営資金の目安、そして資金調達についてご紹介します。
開業資金(初期費用)
美容サロンの開業に必要な初期費用の目安は、1,000万円前後です。物件取得費や内装工事費、機器・設備導入費、人件費、広告宣伝費などが含まれます。
それぞれの項目にかかる費用は美容サロンの種類をはじめ、物件の立地や広さ、機器の新旧、スタッフの数などにより異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 物件取得費:150~300万円
- 内装工事費:100~300万円
- 機器・設備導入費:100~300万円
- 人件費:50~100万円
- 広告宣伝費:10~50万円
初期費用を抑えるための方法としては、自宅やマンションの一室など小規模で開業することや、中古・リースの機器を使用することなどが挙げられます。
運営資金
美容サロンの開業に必要な運営資金は、家賃や人件費、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費などが含まれます。
サロンの規模や集客状況によって大きく変動するため一概には言えませんが、月10万円の物件でスタッフ1名を雇って経営する美容サロンの場合でも1ヵ月あたり50万円程度の経費が発生するでしょう。
運営資金不足にならないためには、最低でも半年分の運営費用を確保することが理想的です。
資金調達には融資や助成金の活用がおすすめ
美容サロンの開業資金を調達する方法として、融資や助成金・補助金の活用が挙げられます。
金融機関からの融資は金利が発生する反面、一度にまとまった資金を融資してもらえることが大きなメリットです。助成金・補助金は返済義務がないため、事業を始める際の負担を軽減するのに適しています。起業支援を目的とした制度も多く、金融機関からの融資より審査ハードルも低めです。
金融機関からの融資で美容サロンの新規立ち上げにおすすめなのは、日本政策金融公庫が提供する「新規開業資金」です。女性や若者、シニア、そして廃業歴などがあり創業に再チャレンジする人などを支援するための融資制度で、7,200万円(うち運営資金4,800万円)の融資を受けることができます。
また、政府や地方自治体が起業希望者を支援するための助成金・補助金も多くあるので、開業する地域でどのような制度があるか確認してみてください。
ただし、融資や助成金・補助金制度を利用する際には、返済計画の作成や助成金の申請要件を満たすための事業計画の作成など事前の準備が必要です。また、借り入れた資金の使い道や管理も重要なので計画的に進めるようにしましょう。
美容サロンの開業は儲かる?年収はいくらくらい?
美容サロンの開業は適切かつ戦略的な運営を行えば、儲かる可能性があります。
美容サロンのオーナーの平均年収は正確なデータが公開されておらずはっきりとは言えませんが、平均が500万円とも言われています。サロンの規模や業績などによっても大きく異なり、なかには1,000万円以上稼いでいるケースもあるようです。
美容サロンの収入に影響を与える要素には、店舗数やメニューの価格設定、客単価、顧客のリピート率などがあります。これらを最大限に活用するためには、競合他社との差別化や顧客サービスの質の向上、効果的な広告・宣伝、コスト管理などが必要不可欠です。特に満足度の高いサービスを提供し続けることは顧客のリピートを促進し、安定した収益の実現につながります。
一方、利益を出すまでには時間がかかることも事実なので、先ほどもお伝えしたように運営資金を半年分準備しておくなど余裕のある資金調達が必要になるでしょう。
美容サロンの開業に必要なものや開業の流れ
美容サロンの開業にはさまざまな準備が必要になるので、それぞれのステップを確実に踏んでいくことが大事です。
ここからは、美容サロンの開業に必要なものや開業の流れをご紹介します。
1.業種・開業形態を決める
まずは、美容サロンの業種や業態を決めるところから始めましょう。
先述したように美容サロンには下記のような業種があり、それぞれ提供するサービスも異なります。
美容サロンの種類 | サービス内容 |
---|---|
エステティックサロン | 顔や体のケア |
ネイルサロン | ネイルケアとアート |
リラクゼーションサロン | 肉体的や精神的なケア |
脱毛サロン | 永久脱毛など |
ヘアサロン | 髪のカットやパーマ、洗髪、スタイリングなど |
アイラッシュ(まつ毛)サロン | 目元のケア |
また、開業形態には個人や法人、フランチャイズがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。たとえば、個人開業は自由度が高い反面、全てのリスクを負わなければいけません。法人の場合は社会的な信用度が高くなりますが、設立手続きが複雑です。そしてフランチャイズでの開業は確立されたノウハウを学べる一方で自由度が低く、加盟費用やロイヤリティの支払いが発生します。
ほかにも、専用の物件を購入または借りて開業する方法だけでなく、自宅での開業も選択肢としてあります。自宅開業は初期費用を抑えられるメリットがありますが、プライバシーの確保や労働時間の管理が難しくなる可能性があることを覚えておきましょう。
最適な業種と開業形態を選ぶためには、自分のスキルや興味、目指すビジネスの形態、予算などを総合的に考慮することが重要です。
2.コンセプトや資金計画・事業計画書を作成する
美容サロンのコンセプトを決めることは、提供するサービスや顧客に対する価値を明確にし、競合他社と差別化するために重要です。
また、資金計画を作成することで開業資金や運営資金の見通しを立てることができ、無理なくビジネスを進めることが可能となります。
そして、事業計画書は目指すビジネスの具体的な目標や進行計画、予想収益などを明示するものなので、自分自身のビジョンを明確化するだけでなく、資金調達の際の資料として利用することも可能です。
3.物件を探す
開業する美容サロンの方針が決まったら、物件を探しましょう。
美容サロンの開業における物件選びは、重要なステップです。立地条件や物件の広さ、家賃など、さまざまな観点から最適な物件を見つける必要があります。
特に立地は集客に直結するため、
- 商業施設が近い
- 人通りが多い
- 公共交通機関が利用しやすい
などの点に気をつけながら選びましょう。
また、オンラインの不動産サイトや専門の不動産業者を活用することで、自分の条件に合った物件を効率的に探すことができます。
4.資金を調達する
美容サロンの開業には多くの資金が必要となります。
自己資金のほかにも、銀行からの融資や助成金・補助金、最近ではクラウドファンディングなどで資金を調達する人も多いです。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解し、自分にとって最適な方法を選択することが重要です。
また、事業計画書の作成や信用情報の整理など、資金調達のための準備も忘れずに行いましょう。
5.内外装工事や機器・備品の購入
資金調達の目処がついたら、美容サロンの内外装工事や機器・備品の購入に取り掛かります。
サロンの内装はお客様の印象に直結するので、最初に作ったサロンのコンセプトに合った内装を心掛けましょう。
また、美容機器・備品の選び方や購入方法、それらの維持管理についても、安心・安全にサービスを提供できるようにするために知識を身につけておくことが必要です。機器のリースや中古品の活用など、コストを抑える方法も検討することをおすすめします。
6.人材採用・教育
一度に複数の顧客対応が必要になる場合は、人材の採用や教育も必要です。
優れたスキルとサービスを提供するために、必要なスキルや資格、顧客への接客態度などを明確にして、それを満たす人材を採用します。求人広告の書き方や採用面接のポイントなど採用プロセスのマネジメント、そして魅力的に感じてもらえるように職場環境や福利厚生を整えておくことも重要です。
開業前に美容サロンの方針やサービスの提供方法など必要な知識・スキルを身につけるための教育を行います。開業後も定期的に研修を実施するなどして育成していくことも大事です。
7.申請・手続き
美容サロンを開業するには、申請や手続きが発生します。
国家資格を必要としない美容サロンを個人事業主として始める場合は、基本的に「開業届」を提出すれば開業可能です。開業届は美容サロンを開業後1ヵ月以内に、開業地域を管轄する税務署で手続きする必要があります。手続きの手間はありますが、開業届を出しておくことで控除を受けられるなどのメリットもあるので、忘れないように準備をしておきましょう。
また、美容室やアイラッシュ(まつ毛)サロンの場合は開業届のほかに「美容所開設届」が必要です。
手続きの内容や必要な書類、手続きにかかる時間や費用などは事前に調査しておくことをおすすめします。
開業届はいつどのタイミングで出せばいい?届出の仕方と必要書類とは
8.集客
ビジネスの成功には集客が必須で、美容サロンにおいても同じです。
ネット広告や口コミ、地元へのPRなど、さまざまな手法で集客活動を行います。新規顧客を獲得するためのキャンペーンやサービスを提供することも効果的で、開業前から取り組むことによって順調なスタートを切ることができるでしょう。
また、リピーターの獲得は安定した売上を維持する上で重要な要素となるので、顧客が美容サロンをまた利用したいと思えるような工夫も重要です。たとえば、リピート割引や会員制度の導入、他店にはない優れたサービスや施術技術の提供などがあります。
潰れない美容サロンを開業するためのヒント
美容サロンの開業は美容が好きなある方にとっての大きな夢ですが成功への道は決して容易ではなく、無事に開業できても潰れてしまうケースも珍しくありません。
そこでこちらでは、潰れない美容サロンを開業するためのヒントを厳選してご紹介します。
差別化が図れたコンセプト設定
差別化が図れたコンセプト設定は、ほかの美容サロンとの違いを明確にして顧客が選びやすくするための重要な要素です。
たとえば、
- 特定の年齢層をターゲットにする
- 独自のトリートメントを提供する
- 地元の素材を使用する
など、自分のサロンだけの特徴を打ち出すことで、ほかのサロンとの競争を勝ち抜くことが可能となります。
戦略的な新規・リピーター獲得施策
戦略的な新規・リピーター獲得施策を打つことも、潰れない美容サロンを開業するために重要です。
新規顧客を獲得するための戦略としては、SNSを活用した宣伝や口コミ、地域への情報提供などがあります。
また、リピーターを獲得するためには高品質なサービス提供はもちろんのこと、予約の簡便さやアフターケア、リピーター向けの特典など、顧客が再度美容サロンに来てくれるような施策が効果的です。
美容サロン開業経験者の話を聞く
美容サロン開業経験者の話を聞くことは、成功するための実践的な知識を得る上で大変有効です。
具体的な開業準備やコンセプト設定の方法、顧客獲得のアイデア、経営の困難さなど、実体験から学べる知識は数多く存在します。
今回は、フランチャイズ比較ネットが独自取材をした開業経験者のインタビュー動画をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
【サロンのリアル】~美容鍼灸サロン~
独立開業経験者のリアルなインタビュー動画をもっと観たい方はこちら
美容サロン開業を成功させるにはフランチャイズもおすすめ
美容サロンの開業において、すでに成功しているブランドの知識やノウハウを利用することでリスクを軽減しつつ、成功に向けた足がかりを得ることが可能なフランチャイズもおすすめです。
今回は、美容サロンのなかでも特におすすめの本部をご紹介します。
ハイフ専門店Lime
『ハイフ専門店Lime』は、近年美容業界で注目されているハイフ(HIFU:高密度焦点照射式超音波)を用いて全身のトリートメントを行う美容サロンのフランチャイズです。
マシン1台、1ブース、エステティシャン1名という小規模開業が可能で、月商150万円も目指せます。操作性の高いハイフマシンを採用しているので、未経験者でも安心。施術とマーケティングどちらの面でもサポートをしっかり受けられる点も強みです。
米ぬか酵素浴サロンBran Room
『米ぬか酵素浴サロンBran Room』は、米ぬかと酵素を使用した温浴サービスを提供する美容サロンのフランチャイズです。リラクゼーション効果に加えて美肌や健康促進の効果も期待できることから、メディアでも多く取り上げられています。
高所得層をターゲットにしており、1エリア1社の独占契約によって高収益を目指すことが可能。ブランドの認知度や既存の運営ノウハウの提供だけでなく、物件開発や人材採用、顧客獲得などのフォロー体制も充実しています。
美容サロン開業のまとめ
美容サロンの開業は、事前の入念な計画と準備が成功の鍵となります。業種や開業形態の選択をはじめ、コンセプトや事業計画の作成、物件探し、資金調達、内装や設備の選定、人材採用と教育、申請手続き、そして集客戦略のステップ全てが大事なので、漏れのないように準備に取り組みましょう。
また、差別化が図れたコンセプト設定や新規・リピーター獲得の戦略、経験者の話を聞くことは長期的に成功するためのヒントとなります。
開業をスムーズにしてより成功率を上げるために、フランチャイズを選択することも一つの方法です。初めての独立開業で少しでも不安をお持ちの方は、ぜひこの機会に検討してみてください。
美容サロンの開業に関する記事
- ネイルサロン開業の流れや必要なものが分かる!費用・資格・成功ポイントなどを徹底ガイド
- 自宅ネイルサロンの開業ガイド!必要な準備やトラブル・失敗の対策法など詳しく解説
- 3分で分かる自宅サロンの開業方法!必要資金や準備・自宅サロンで失敗しないコツ
- エステサロンを開業するやり方!エステのメリットや費用をわかりやすく解説
- セルフエステサロンの開業が人気な理由とは?必要な費用や手順、助成金、失敗させないポイントなども徹底解説
- 脱毛サロンの開業は儲かる?資格や開業に必要なものを解説!
- マツエクサロンの開業に必要な準備とは?資格や資金の目安・成功のコツなどをご紹介
- ホワイトニングサロンの開業は儲かる?必要な準備や注意点・失敗しないためのコツ
- リンパマッサージサロンの開業準備に!資金・資格・成功のヒントなど
- 美容室の開業準備の決定版!開業の流れや資金・資格など必要なものまとめ
- 美容師の独立開業に!ベストな時期や必要な資金・資格、開業手順、失敗しないための注意点など
公開日:2023年06月23日