靴修理屋の開業ガイド!開業方法や必要な資金・資格と技術・手続き、成功のポイントまで

最終更新日:2024年09月20日

靴は誰もが毎日のように使っている生活必需品で、愛着のある靴や履きなれた靴を修理しながらずっと履き続けたいと考える人も多いです。そんな靴修理は需要の高さやコスト、収益性からビジネスとしても人気があります。

そこで今回は、靴修理屋の開業準備に関する情報をまとめてご紹介します。靴修理屋を開業するメリットをはじめ、具体的な開業方法や必要な資金、資格や技術、手続き、そして成功させるポイントまで解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

将来性抜群?靴修理屋を開業するメリット

靴修理屋の開業方法

靴修理屋の開業に必要な資金

靴修理屋の開業に必要な資格や技術

靴修理屋の開業に必要な手続き

靴修理屋の開業を成功させるポイント

靴修理屋と同じリペアビジネスでおすすめのフランチャイズ

靴修理屋開業のまとめ

将来性抜群?靴修理屋を開業するメリット

将来性抜群?靴修理屋を開業するメリット

靴修理は古くから人々の生活を支えてきた職業の一つで、新しい技術や業種が生まれつつある現代でも靴修理屋として開業する魅力が数多く存在します。
そこでまずは、靴修理屋を開業するメリットをご紹介します。

需要が高く、景気に左右されにくい

靴は私たちが毎日使用する身近かつ必須のアイテムであることから、修理の必要性は非常に高いです。そのため、靴修理業は常に安定した需要があり、景気にも左右されにくい業界と言えます。

現に、日本では年間約7億足もの靴が消費されていると言われており、これらの靴が壊れたり修理が必要になったりするケースは少なくありません。

また、近年はSDGs(持続可能な開発目標)に対する意識の高まりによって新しい靴を購入するより修理を選択する人も増えていることから、今後も安定した収益が見込めるでしょう。

小規模で開業できる

靴修理屋は、3~5坪程度のスペースと最低限の器具だけで開業できます。

店舗にかける費用を抑えられるため少ない初期費用で始められるほか、1人または少人数でも運営できるので人件費も抑えることが可能です。

店舗を構えなくても始めることができるので、コンパクトな車に修理道具を積んで依頼者の家やオフィスなどに出向いてサービスを提供する移動型の靴修理屋を開業すれば、さらに初期費用の負担を抑えられる上に柔軟な店舗運営が可能になります。

粗利率が高い

粗利率の高さも、靴修理屋を開業するメリットです。

靴修理に必要な材料のコストは比較的低く、提供するサービスの価格に対して高い粗利を得ることができます。

一般的な靴修理業者では粗利率が70~80%と言われており、飲食業や小売業より非常に利益率が高いことが特徴です。この高い粗利率には、靴修理屋の価値が材料や商品ではなく専門技術の提供にあることが大きく影響しています。

しかし、粗利率が高いから儲かるとは限りません。儲かる靴修理屋に育てるには、コストを抑えた経営を意識することが大事です。靴修理業界で働く正社員の平均年収は約355万円と言われていることから、独立開業後の経営方法次第では高収入を得られるチャンスがあるでしょう。

在庫リスクがない

靴修理屋の開業では商品を大量に仕入れる必要がないため、在庫リスクが低いと言えます。

仕入れが必要なのは靴の修理に必要な部品や材料のみで、使用する分だけ購入すれば問題ありません。また、長期間保管しても劣化しにくいため、在庫を過剰に抱えるもしくは不足による損失が少ないです。

商品を大量に仕入れる必要がある小売業などと比較すると、靴修理屋の大きなメリットとなります。

手に職をつけられる

靴修理屋として開業することは、確かな知識と技術を身につけることを意味します。

靴の修理は素材の知識や専門的な技術、さらには良質な靴を長持ちさせるためのメンテナンス方法など、幅広い知識を必要とします。

手に職をつけるということは一生モノのスキルを身につけるということなので、定年や場所に縛られずにずっと働き続けることが可能です。また、自分自身の価値を高めて将来的にキャリアの可能性を広げることにもつながります。

靴修理屋の開業方法

靴修理屋の開業方法

靴修理屋の開業方法は主に二つ。個人や法人での独立開業とフランチャイズへの加盟です。どちらの方法もそれぞれに特徴があり、ビジネスの目標や状況などによって最適な方法が異なります。
ここからは、それぞれの開業方法の概要とメリット・デメリットをご紹介します。

個人や法人で独立開業する

個人や法人で独立して靴修理屋を開業する方法は、自分だけのビジネスを自由に運営できるというメリットがあります。売り上げが収入に直結しやすいので、努力が実ればより高い収入が期待できることもメリットの一つです。しかし、それは同時に全ての事業運営に対する責任も自分自身にかかってくるということになります。

個人や法人で靴修理屋を開業するには、以下のような準備が必要です。

1.コンセプトや事業計画の作成
2.メニュー作成
3.開業場所・物件(店舗)の選定
4.修理機材・設備導入
5.採用
6.集客

法人で靴修理屋を始めたい場合は法人設立が必要で、ほかにも開業届などの手続きも発生します。

フランチャイズに加盟して独立開業する

もう一つは、靴修理屋のフランチャイズに加盟して独立開業する方法です。

フランチャイズとは本部の商標やノウハウ、サポートなどを提供する対価として加盟金やロイヤリティを支払うシステムのこと。既存の知名度やノウハウを使って靴修理屋を始められるので、新たにビジネスを始める上でのリスクを軽減することができます。一方で、先述した加盟金やロイヤリティの支払いが負担になったり、個人や法人で開業するより自由度が低くなったりする可能性があることも覚えておきましょう。

フランチャイズに加盟して靴修理屋を開業する大まかなプロセスは、以下の通りです。

1.フランチャイズ選定
2.資金調達
3.店舗開設の準備
4.開業

全国に店舗を展開する『ミスターミニット』もフランチャイズの一例です。本部の強力なブランド力とノウハウを活用した靴修理ビジネスを展開し、成功を収めています。

どちらの開業方法においても店舗は、専用の物件を購入または借りて準備する、テナントに入る、専用の車両を購入または借りて準備するという手段があり、自身の理想や目標、目的などに合わせて選ぶようにしましょう。

靴修理屋の開業に必要な資金

靴修理屋を開業するためには、初期投資としての開業資金と継続的な店舗運営に必要な運営資金の二つの資金が必要です。
こちらでは、それぞれの資金の詳細と調達方法について紹介します。

開業資金(初期費用)

靴修理屋の開業には、200~300万円の初期費用が必要とされています。

この内訳は、物件取得費(敷金・礼金や初月の家賃)や内装工事費、修理機材・設備導入費、初期の人件費、広告宣伝費などです。これらの項目にかかる費用は開業する地域や店舗の規模によって異なり、条件によっては700~800万円ほどかかるケースもあります。居抜き物件を活用したり、必要最小限の機材から始めたりなどの工夫によって初期費用を抑えることが可能です。

また、靴修理屋の開業に必要な開業資金の調達方法は、自己資金や金融機関からの融資、そして各地方自治体が提供する助成金・補助金などが挙げられます。

運営資金

靴修理屋の運営資金は、毎月100万円程度が必要とされています。

具体的な内訳は家賃や材料費(修理に必要なパーツなど)、水道光熱費、人件費、広告宣伝費などです。

運営資金の管理は、靴修理屋成功のカギとなります。無駄な出費を削減するための予算管理や売上から適切な利益を確保するための価格設定などが重要です。

また、靴修理屋を開業してから利益が出るまでの赤字期間も考慮することが大事で、その期間を含めた運営資金の調達が必要だと言えます。

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靴修理屋の開業に必要な資格や技術

靴修理屋の開業に必要な資格や技術

靴修理屋の開業には、特別な資格は必須ではありません。ですが、サービスを提供する上で靴を修理する知識や技術は最低限必要です。

具体的には、

  • 靴の解体方法
  • 素材の知識
  • 縫製技術
  • 接着技術

などが挙げられます。
これらの技術を身につけることで顧客からのさまざまな依頼に対応し、高品質な修理サービスを提供することが可能です。

また、取得しておくことで靴修理屋の経営に役立つ資格もあります。
それは「靴修理技師」や「レザーソムリエ」などです。これらの資格を取得することで靴修理や革製品に関する技術力を証明するだけでなく、信頼性やブランド力を向上させることができます。

靴修理屋の開業に必要な技術や資格を習得するためには、専門学校や通信教育での学習、または経験豊富な修理師のもとでの修行が一般的です。

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靴修理屋の開業に必要な手続き

靴修理屋を開業するにはさまざまな手続きが必要になると思われる方もいらっしゃると思いますが、基本的には特別な手続きは不要です。

靴修理屋を個人で始める場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」を管轄の税務署に提出するだけで手続きは完了します。開業後1ヵ月以内に届け出る必要があるので、その点にだけ注意しておきましょう。

また法人で始める場合には別途、法人設立や保険や税金に関する手続きが発生します。自身の靴修理屋に必要な手続きが何なのかを事前に把握し、計画的に準備をすることが大事です。

それぞれの手続きには特定の書類が必要で、独自のルールや手順に従わなければいけません。開業準備のなかでも負担になってしまうことが多いので、専門家の助けを借りることもおすすめです。税理士や弁護士などの専門家は複雑な手続きをスムーズに進めるためのアドバイスを提供してくれるので無駄な時間を避け、手続きのミスを防ぐことにもつながります。

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靴修理屋の開業を成功させるポイント

靴修理屋の開業を成功させるポイント

靴修理屋の開業は単に手順に沿って準備をするだけではなく、成功させるためのポイントを押さえることが大事です。
靴修理屋の開業を成功させるためのポイントを厳選してご紹介します。

専門的な修理技術

靴修理屋開業における専門的な修理技術は、ビジネス成功に欠かせない要素です。

ヒールの交換や靴底の貼り替え、破れや切れ目の修理、クリーニングなどは一部の例ですが、これらは全て専門的な知識と技術を要します。こうした技術を習得することでお客様からの信頼を得ることができ、リピート顧客の増加や口コミによる新規顧客の獲得につながるのです。

さらに靴修理の技術を継続的にスキルアップさせることも忘れてはいけません。新たな修理方法を習得したり、効率的な作業手順を開発したりすることで、サービスの質と効率を高めてビジネスの競争力を上げることが可能になります。

顧客ニーズの理解

靴修理屋における顧客ニーズの理解は、ビジネスを長続きさせるために重要な要素です。なぜなら顧客の求めるサービスを提供し、顧客満足度を高めることが可能になるからです。

ニーズ把握の方法としては市場調査やアンケート、口コミ分析などが挙げられます。

これらを通じて顧客が

  • どのような修理サービスを求めているのか
  • どのような点に満足しているのか
  • どのような点を改善して欲しいのか

などを把握することが可能です。靴修理屋の軸となるコンセプトにも通じる部分なので、開業を決意したら初期の段階で取り組んでおくことをおすすめします。

広範囲のサービス提供

靴修理屋の開業で広範囲なサービスを提供することは、売上獲得の機会を増やして成功を掴むための有効な手段です。

靴の修理だけでなく、

  • バッグなどの革製品の修理
  • 靴・バッグのクリーニングサービス
  • 部品販売
  • 合鍵作成
  • 名刺作成
  • 印鑑作成

など、顧客の求めるさまざまなニーズに応えられるサービスを提供することで、リピート顧客を増やすとともに、新規顧客を獲得するチャンスを広げることができます。

適切なコスト管理

靴修理屋の開業においては、適切なコスト管理も成功のために重要な要素となります。

粗利の高いビジネスですが、コスト管理が徹底されていないと手元に残る利益は少なくなる一方です。そのため、粗利率の高さを活かして利益を最大化することを意識した経営が大事だと言えます。

固定費と変動費の管理や在庫管理などを通じてビジネスの収益性を目指しつつ、価格設定も適切に行うことが求められるでしょう。

効果的な集客施策

靴修理屋開業の成功には、効果的な集客施策も欠かせません。

具体的な集客施策として、SNSマーケティングや口コミ作り、地域への広告などが挙げられます。これらの施策は多くの顧客を獲得し、ビジネスの成長を支えるために重要です。

特にSNSマーケティングは少ないコストで大きな効果を発揮することが可能で、靴修理の前後の写真を投稿するなどして、その修理技術をアピールすることができます。また、口コミも店舗利用を促す効果があるので非常に有効です。また、地域への広告は地元の顧客とのつながりを深める効果があります。

自身の店舗に適した施策の選択や複数を組み合わせた施策の実施など、効果的な集客施策を行って売上向上を目指しましょう。

異業種からの開業で手に職をつけた経験者の話も参考に!

靴修理と同じリペアビジネスで独立・開業できるフランチャイズを探してみる

靴修理屋と同じリペアビジネスでおすすめのフランチャイズ

靴修理屋と同様に、リペアビジネスは社会的な需要が大きく独立開業の選択肢として魅力的です。特にフランチャイズでの開業は既存のビジネスモデルやブランド力、研修システムなどを利用できるため、初めての開業でも成功の可能性が高まります。
最後に、リペアビジネスでおすすめのフランチャイズをご紹介します。

住宅&家具リペア

「住宅&家具リペア」は、住宅や家具の修理サービスを提供しているフランチャイズです。

開業前の技術講習で、本部が25年以上磨き上げたという専門性の高い技術を身につけることが可能。さらに、案件紹介サポートもあるので、営業活動に不安を感じている未経験者でも安心して開業できます。

90~95%という高粗利のビジネスモデルで、無店舗開業で年商2,000万円を達成した実績もある注目のフランチャイズです。

スマホ修理工房

『スマホ修理工房』は、スマートフォンの修理サービスを展開しているフランチャイズです。スマートフォンが必需品の現代社会において需要が拡大し続けており、大きなビジネスチャンスが見込めます。

2坪~という小スペースかつ少人数での運営ができるので、低資金で開業することが可能。自身の店舗で対応できない修理は本部に委託できる点も安心です。

何より、総務省の登録修理業者であることも安心できるポイントでしょう。

スマホ修理工房の資料をもらう

靴修理屋開業のまとめ

靴修理屋というビジネスは利用者の日常生活を支えると同時に、その喜びを直接感じられる魅力的な仕事です。その一方で専門的な技術や知識、事業運営のスキルが求められることも忘れてはいけません。

靴修理屋の開業を成功させるためには、

  • 専門的な修理技術の習得
  • 顧客ニーズの理解
  • 広範囲なサービス提供
  • 適切なコスト管理
  • 効果的な集客施策

などが重要なポイントとなります。これらのポイントを押さえて戦略的に開業・経営を行うことで成功に近づくことができるでしょう。

また、フランチャイズでの開業は確立されたビジネスモデルをはじめ、本部の知名度やサポートを活用しながら開業できるので、初めての独立でも成功率を高めることが可能です。
ぜひこの機会に検討してみてください。

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靴修理の開業に関する記事

公開日:2023年07月06日

よくある質問

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Q 靴修理屋にはどのような開業方法がありますか? 回答を見る
Q 靴修理屋の開業に必要な資金はいくらくらいですか? 回答を見る