保育園フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
最終更新日:2020年05月11日
保育園フランチャイズの費用は、認可保育園または認可外保育園といった種類や規模、加盟する本部などによって大きく変わります。
そこで今回は、保育園のフランチャイズを始めるために必要な加盟金や店舗関連費、研修費などの開業資金(初期費用)、人件費や賃貸料などの運営資金を詳しくご紹介。
保育園フランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
保育園フランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安
保育園フランチャイズの開業に必要な資金の目安は、約1,450万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
加盟金が発生しないフランチャイズ本部もあり、保育園の規模や受け入れる園児の人数などによっても費用は大きく変わります。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 200万円 |
保育施設関連費 (物件取得費・内装工事費・設備費など) |
450万円 |
保証金 | 0円 |
資格取得 | 0円 |
研修費 | 30万円 |
合計 | 680万円 |
<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 600万円 |
賃貸料 | 90万円 |
水道光熱費 | 15万円 |
給食費 | 30万円 |
ロイヤリティ | 30万円 |
合計 | 765万円 |
※広さが20坪程度、園児20人未満の保育園と仮定し、各項目を計算しています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
保育園フランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)
保育園フランチャイズの開業に必要な資金(初期費用)には、加盟金や保育施設関連費、保証金、資格取得費、研修費などが挙げられます。
そのなかでも大きな割合を占めるのが保育施設関連費ですが、物件の条件やフランチャイズ本部の加盟プランによっても異なるので、十分な確認が必要です。
加盟金
保育園の開業に必要な加盟金は、100~300万円程度です。
加盟金が発生するフランチャイズ本部が多い傾向にあります。
保育施設関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)
保育園の開業資金として必ず必要になるのは保育施設関連費で、300~500万円ほどかかります。
主に、立地や規模、内外装の程度などによって費用が変わりますが、施設の構造や設備の条件が厳しい認可保育園のほうが費用が高くなるケースが多いです。
ですが、認可保育園の場合は自治体から工事費や開業前の賃料などを賄うための補助金を受けることによって、保育施設関連費用を抑えることができます。自治体によって補助金交付の条件や料金が異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
保証金
保育園フランチャイズの場合、保証金0円の本部が多いです。
なかには保証金が必要な本部や、ほかの費用の中に含まれているというケースもありますので、加盟前に確認しておくと安心でしょう。
資格取得
保育園を開業するにあたって必要な資格はありません。
ですが、認可・認可外保育園ともに各自治体への開業のための申請が必要になります。自治体によって条件や必要書類などが異なり、職員構成や資格登録証の写し、建物配置図、保育園園規則、就業規則などさまざまな種類の書類が必要になるので、必ず事前に確認しておきましょう。
研修費
保育園フランチャイズの場合、オーナーと保育士などの従業員を対象とした研修が実施され、約30万円の費用が必要となります。
特に未経験で保育園の経営を始める場合には、費用だけでなく必要な研修が受けられるかを十分に確認しておきましょう。また、本部によっても費用や研修内容がさまざまなので、費用に見合った研修を受けることができるかという点にも注意しておく必要があります。
保育園フランチャイズに必要な運営資金
保育園フランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の5つです。
- 人件費
- 賃貸料
- 水道光熱費
- 給食費
- ロイヤリティ
認可保育園の場合、自治体からの補助金を受けることができるので、運営資金を抑えることが可能です。
補助金は、「補助対象契約児童数」×「年齢別補助単価」で算出されることが多く、職員区分や配置に応じた加算制度もあります。年齢が上がるほど段階的に減りますが、園児20人ほどで数百万もの補助金を受けることができるので、運営資金を大きく抑えることが可能です。
人件費
人件費は保育士の人数や雇用形態、経歴、年齢などによって変わりますが、1ヵ月あたり約200万円が目安です。
また、保育士のほかに嘱託医や調理員も雇用する場合や、賞与支給を予定している場合などによっても変動するので、その点にも気をつけてシミュレーションしておきましょう。
賃貸料
保育園フランチャイズの運営でかかる賃貸料は、1ヵ月30万円程度。
保育園と一言で言っても、駅近で小規模な保育園もあれば、広い園庭がある保育園、テナントに入っている保育園などさまざまなタイプがあり、賃料にも大きな差があります。
賃貸料に関して疑問や不安な点があれば、フランチャイズ本部に相談してみると良いでしょう。
水道光熱費
水道光熱費は、1ヵ月あたり5万円くらいが目安です。
保育園の規模や園児・職員の人数のほかに、稼働日数や時間などのさまざまな条件によって毎月変動する費用になるので、しっかりとしたシミュレーションが必要になるでしょう。
給食費
保育園フランチャイズの経営には、給食費も必要になります。
こちらも保育園によって異なりますが、1ヵ月10万円程度です。
保育園内で調理員が作って提供するのか、業者から仕入れて提供するのかなどによっても費用が変わります。
ロイヤリティ
保育園フランチャイズの場合、ロイヤリティは1ヵ月あたり約5~20万円という本部が多いです。
保育園の規模や本部のサポート内容などによっても変動します。なかにはロイヤリティ0円の本部もありますが、必要なサポートが受けらえるかどうかを十分に確認したうえで加盟することをおすすめします。
保育園フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
東京都を拠点に保育園フランチャイズ事業を展開する「スクルドエンジェル保育園」の場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)
今回は、1ヵ月あたりの売上高が約346万円の小規模認可保育園(20~30坪、園児19人)をモデルに算出しています。
総収入
346.5万円
=16.5万円(売上高)+330万円(助成金)園利益
143万円
=346.5万円ー25万円(ロイヤリティ)ー178.5万円(家賃や水光熱費・人件費など)
認可保育園の場合、自治体からの助成金が大きな収入源となることが分かります。
できるだけ費用を抑えて保育園を開業・運営したいという場合には、認可保育園を検討するほうが得策です。
一方、認可外保育園は助成金がないとは言え、売上が高め(保育料の設定が高い)、ルールが認可保育園ほど厳しくないなどのメリットがあります。
どちらにしても複数のフランチャイズ本部を比較するなどして十分な検討を重ね、最適な本部を見極める必要があるでしょう。
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公開日:2020年03月24日