FC(フランチャイズ)選びの成功法則(1)事業目的を明確にする

最終更新日:2020年03月31日

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記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

企業の成長

山口晃二(やまぐち・こうじ)

記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

弊社では、事業成長の手法のひとつとしてFC(フランチャイズ)での起業をお勧めしていますが「フランチャイズで起業するメリットはわかったが、どのように加盟検討していったらよいかわからない」という声も少なくありません。今回は、どのように加盟していったらよいかわからないという方に向けて「フランチャイズ独立・起業の成功法則」をお伝えしたいと思います。

独立・起業・開業・新規事業をする場合も「儲けたいから」という理由が第一義にくるのは当たり前のことです。フランチャイズ起業の前提は「儲かっているビジネスの標準化によって、より多くの方が同様のビジネスモデルで起業することができる」ことにあります。つまり「フランチャイズでの起業=(すべての店舗ではないにしても)儲かる」という前提を疑っても仕方の無いことです。

しかし残念なことに、儲かっていないビジネスにウソ偽りを重ねてフランチャイズ展開しているケースも、ごくまれにあるのは事実のようです。でもそのような偽りを大抵の経営者、起業家なら直感で見抜くか、きちんと調査した上で加盟を検討するでしょう。起業を考える前にその行為を怠ってしまう側にも問題はあるのかも知れません。

ここでは「フランチャイズ=儲かる」という前提で話しを進めます。起業を考えるにあたってまず最初にやるべきことは「儲ける取り組みの結果、その事業で何を得ようとしているか?」という事業の目的をしっかりと定めることです。

例)事業目的

  • 利益を内部留保していき、新たな事業展開への源泉とするため

  • メガフランチャイジー展開を目指しているため

  • 本業とのシナジー効果をあげるため

  • 新規事業により、遊休地、遊休人材の有効活用をするため

  • 新規事業により、人材力の強化を図るため

  • 新規事業ノウハウを得て、自社業態の構築や、フランチャイズ本部展開をしていくため

企業は「ヒト」「モノ」「カネ」「ノウハウ」などを新しく得て、有効活用していくことにより成長していきます。起業で得たいもの、つまりは「どの経営資源を獲得強化したいか」を明確にしておくことが必要です。

あるフランチャイジーは、人材力の強化を目的に、小売業から飲食業への事業参入を検討しています。商品に頼らず「接客力」を大きく要求される業態で、そのノウハウを多く有する本部への加盟を検討しているとのことです。

あるフランチャイジーは、将来のFC本部展開を当初から計画し、さまざまな本部からサポートを得ることで、FCビジネス経験を蓄積していきたい、といっています。すでに完成された本部はもちろん、意図的にアーリーステージの本部にも、経験のためフランチャイズに加盟をする、という考え方をもっています。

企業の成長

あるフランチャイジーは、将来は構想している業態を独自に立ち上げたい、といっています。そのためにも、フランチャイズに加盟をして起業することで、商品開発、人材育成、販売促進などのノウハウを得ようとしています。

このような事業目的のはっきりしている企業は、起業に対しての意識は高く、成功確率も高いと思われます。ただし契約には「競業禁止」の規定があって、フランチャイズで起業した際はもちろん、起業後もある一定期間は、類似業態の営業を禁止しているのがほとんどです。どこまでが競業禁止に当たるかは、各本部によって見解が異なるので、加盟・起業前にしっかりと確認をしておくことが懸命です。

いずれにしてもフランチャイズで起業する際の目的は、ポジティブなものでなければいけません。単に「遊休地、遊休人材の活用」という補完的な取り組みでは、仮に苦難がやってきた場合、起業することに対して想いがなければ簡単に断念してしまうでしょう。結果、うまくいきません。

繰り返しますが「儲ける過程で得られるものは何か?」を加盟・起業前に自己認識、理解して、自社の課題解決に役立つフランチャイズ独立・起業をすることをお勧めします。

山口晃二(やまぐち・こうじ)

株式会社フランチャイズタイムズ・ジャパン代表取締役

アメリカ最大手のフランチャイズ業界誌の日本版を展開。事業意欲ある経営者に対し、最適なフランチャイズ情報の提供と出店サポートを行なうことで、加速的な事業成長戦略を提案、支援する。

公開日:2020年03月31日