年商8,000万円!フランチャイズの「高齢者向け配食サービス」で脱サラ&独立
最終更新日:2024年09月20日
一人で開業するのが不安な方や、未経験の業種で独立したい方は、フランチャイズに加盟するのも1つの選択肢。本部のサポートやアドバイスを受けながら、二人三脚で開業・事業運営できます。
今回取材した西田 竜也さんも、フランチャイズのサポートを受けながら、今までに挑戦したことのない高齢者向け配食サービス事業を始めました。
そんな西田さんにフランチャイズのメリット・デメリット、開業資金、収入のほか、新しく始めた別のフランチャイズの事業についても伺ったので、フランチャイズでの独立に興味がある方は参考にしてみてください。
目次
高齢者向け配食サービスで脱サラ!フランチャイズで独立した理由とは
高齢者へのサービスを通して得た経験をもとに「御用聞き事業」もスタート
高齢者向け配食サービスで脱サラ!フランチャイズで独立した理由とは
今では岡山で名の知れる企業を経営している西田さんですが、最初はマンションの一室から細々と事業を始め、黒字化するまでに1年かかるなど、さまざまな苦労がありました。
西田さんは『まごころ弁当』と『宅食ライフ』2つのフランチャイズと契約していますが、もともと高齢者の配食サービスと何か関係のある仕事をしていたのでしょうか。
西田さん「最初は配食サービスとは全く関係のない、医療機器の営業を7年ほどしていました。新卒から勤めていたので、ある程度の給料をもらっていましたし、安定していたと思います。なかには転職する人もいましたが、同じ業界に転職するケースが多く、そういった面でも安定感のある会社でした」
それでは西田さんも、ほかの人と同じように独立ではなく、転職という選択肢もあったのでは。
西田さん「そうですね。ただ、自分で何かを始めたいという気持ちがあったんです。それで、お正月休みにフランチャイズの雑誌を見ていたら、資格も特別な経験も要らないと謳う本部が目に止まりました。
この本部なら未経験でも独立できるし、独立する方法のなかでもリスクが低いほうなのかなと感じて独立した流れです」
それでフランチャイズで独立したんですね。配食サービスを選んだ理由は、何かありますか。
西田さん「高齢者向けのサービスをしたいと考えていて、ただそのなかでも介護は初期投資の面で少し厳しい。それで考えたのが、「食べること」に関するサービスは競合が多いけど、絶対に必要とされるサービスだなと。食べるのに困っている高齢者はきっと多いはずだと思って、配食サービスに決めました」
フランチャイズの良さは、未経験でも始めやすいこと
西田さんは配食サービス業未経験ですよね。知識がない状態で始めるにあたり、フランチャイズのサポート体制はどうでしたか。
西田さん「最初に1週間研修を受けてから、あとは分からないことがあればスーパーバイザーに電話して聞く形でした。最低限のことは本部がサポートしてくれますし、営業も一緒に付いて来てくれましたね」
商材のお弁当も、全て本部から仕入れているのでしょうか。
西田さん「主にフランチャイズ本部から仕入れています。私のほうで必要数を発注して、あとは冷蔵で届いたものを温めるだけ。米をとぐくらいで、調理はしません。カロリーや塩分を全部自分で計算するとなると調理師が必要ですから、そう考えるとかなりやりやすいです」
本部がサポートしてくれるなら、未経験から始めるハードルも低そうですね。とはいえ、最初は不安ではなかったですか。
西田さん「すごい不安でした。最初は本部のひな形に沿ってやっていましたが、頭で学んだことが行動につながるまでには時間がかかりますから。なのでまずは、ポスティングやチラシ作り、新聞の折り込みなど、できることからやろうという感じでしたね」
黒字化するまで1年…どんどん減る資金を見て不安に
それで、開業後すぐに顧客獲得できましたか。
西田さん「すぐにできました。本部のアシストもありましたし、インターネットを見て利用してくれた方もいました。最初の半年ほどは1ヵ月数万円の売り上げが続き、それから月10万円、月20万円と少しずつ上がっていった感じです。当時はアパートの2階を借りて、そこで盛り付けから配膳まで1人で対応していました」
アパートの一室で始められたんですね。ちなみに、フランチャイズと西田さんでどのように利益を分けているのか聞いても良いですか。
西田さん「売り上げの10%をロイヤリティとして本部に支払っています。ただ、いくら売り上げが伸びようとロイヤリティの支払いは10万円が上限なので、売り上げが上がればそれだけ手元に残る金額は多くなります。
最初に売り上げを増やすのが大変ですが、ただ、それはどこのフランチャイズも同じではないでしょうか」
なるほど。ちなみに、開業資金はどのくらいかかりましたか。
西田さん「トータルで250万円くらいでした。創業融資も受けているので、自己資金は100万円ほどです。借りた150万円に関しては、運営資金に使いました。マンションを借りたり、車を買ったりするための費用ですね。
黒字になるまでに1年ほどかかったので、貯金を切り崩したり、資金が少しずつ減っていくのを見たりしていて、やはりとても怖かったです」
現在の年商は8,000万円!しかし新店立ち上げによる苦労も
よく耐えられましたね…。また、現在の年商についてお聞きしても良いでしょうか。
西田さん「年商は8,000万円くらいですね。2年目のときで1,500万ほどでした。最初の6年間は個人事業主として事業を行っていましたが、今は役員報酬をもらう形にしています。役員報酬は400万円ほどです」
ランニングコストとしては、どんな費用がかかっていますか。
西田さん「今は3店舗経営していて、例えば食材費が4割、家賃が1割といった感じです。そこまで広い物件が必要なわけではないので、家賃はあまりかかっていません。
3店舗のうち2店舗は最近オープンしたばかりなので、まだ赤字の状況なんです。今年中には黒字化できるかなという段階で、利益が1割出れば良いほうだと思っています」
立ち上げ当初だと、あまり利益が残らないんですね。
西田さん「始めたばかりの店舗はそうですね。1店舗だけ運営していたときは、2〜3割は利益が出ていました。それに、例えば都会で事業を行うならバイクでもサービスを提供できるのですが、この地域だと車が必要なのでガソリン代などが発生します。事業としては安定しているけど、経費も飛ぶのが少し悩ましいところです」
高齢者へのサービスを通して得た経験をもとに「御用聞き事業」もスタート
現在、どのくらいのお客さんが利用されているのかお聞きしたいです。
西田さん「固定のお客さんは月800〜1,000人くらいで、大体1日500人くらいに配膳しています。1軒にお弁当を20個など配るときもたまにありますが、基本的には1軒1つ。週1回注文する人もいれば、毎日注文する人もいます。土曜日や日曜日は少し数が減るなど、売れ行きはバラバラですね」
かなり売れていそうですが、従業員は今どのくらいいるんですか。
西田さん「ドライバーも含めて20名ほどです。この人数で足りるようにしていますが、例えば配膳の時間に間に合わなくなってしまったなどの問題が起きれば、従業員の数を増やすよう見直しをしています」
なるほど。そういえば話がそれますが、ほかに新しい事業を始めたと聞きましたが。
西田さん「高齢者向けという意味では同じですが、御用聞きのような仕事も始めました。電球交換や草むしり、水漏れなどちょっとした困りごとのサポートですね。
実際に高齢者世帯への配食サービスを通して、サポートを必要としている高齢者が多いことを実感したのが大きいです。それで今は、配食に付随するサービスとして行っています」
配食×御用聞きの相乗効果で売り上げアップを目指す
確かに配食サービスとは相性が良さそうです。
西田さん「やはり、この配食サービスだけで利益を大幅に増やすのは難しいです。安定はするけれど、それ以上の利益を見込むのはどうしても難しい。同じ顧客層で利益を改善するためのサービスとして、御用聞きはニーズがありそうだなと。
実際にニーズはあると思っています。例えば電球を変えるといった小さなお手伝いを高齢者の方にしたら、徐々に違う仕事を任せてくれるようになったなど、次に繋がっているんです。単価が上げてくれて、尚且つリピーターになってくれる人も多いです」
継続性があるんですね。ちなみにそれは個人の事業ですか、それともフランチャイズですか。
西田さん「これもフランチャイズです。配食サービスのお客さんにこの御用聞きのサービスを紹介できて、反対に御用聞きのお客さんに配食サービスを紹介できるのが良いですね」
相乗効果がありそうですね。ちなみに西田さんが考えるフランチャイズの良いところ・悪いところは何だと思いますか。
西田さん「良いところは、ノウハウがあることです。これから未経験で始める方にとっては参考になりますし、目標や目安がある安心感がありますよね。
悪いところは、どうしても自由にできない部分があるところでしょうか。例えばうちは食材を変えることができないので、やはりコスト面を改善できないのは気になりますね」
フランチャイズにもメリット・デメリットがあるんですね。ありがとうございます。
それでは最後に、これから脱サラしたい方へメッセージをお願いします。
西田さん「これから脱サラする人は、今の気持ちを大事にしてほしいです。人生は一度きりですし、やりたいことを後からやろうと思ってもできないことがある。後悔しないためにも、自分の気持ちを一番大事にしてほしいです」
公開日:2023年08月18日