儲かる惣菜屋の開業方法!必要な資格・許可・手続きや資金、開業の流れ、コツなどを徹底解説

最終更新日:2024年09月20日

増え続ける単身・共働き世帯や高齢者などの食生活を支える惣菜屋は、需要が高い上に飲食店のなかでも開業ハードルが低めなため、独立開業を考える方も多いビジネスです。

そこで今回は、惣菜屋の開業方法について徹底解説します。店舗型や自宅型などの開業形態から必要な資格や許可、手続き、資金などの準備、開業の流れ、儲かる惣菜屋を開業するためのコツまで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

惣菜屋を開業するメリット

惣菜屋を開業する方法

惣菜屋の開業に必要な資格・許可・手続き

惣菜屋の開業に必要な資金

惣菜屋の開業の流れ

儲かる惣菜屋を開業するためのコツ

惣菜屋の開業におすすめのフランチャイズ

惣菜屋開業のまとめ

惣菜屋を開業するメリット

惣菜屋とは主食と一緒に食べる副食品(おかず)の調理・販売を行う飲食店のことですが、飲食業のなかでも比較的開業ハードルが低くビジネスとしても魅力的な選択肢の一つです。
そこでまずはじめに、惣菜屋を開業するメリットをご紹介します。

需要がある

一般社団法人日本惣菜協会が公開した「2023年版惣菜白書」によると、2022年の惣菜市場規模は前年対比103.5%の10兆4,652億円ということが分かりました。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに一時は落ち込んだ惣菜市場ですが、2019年の10兆3,200億円と比較しても101.4%とコロナ以前の水準に回復しています。

惣菜市場の成長の背景にあるのは、単身世帯や共働き世帯の増加、そして外食難易度の高まりです。忙しい現代人は美味しくて手軽に食事ができるという惣菜屋に大いに必要性を感じています。

さらに、新型コロナウイルスの影響でテイクアウト需要が増加。人々が外出を控えて自宅での食事が増えた結果、惣菜屋の商品がその需要を満たす一助となったのです。今やスタンダードとも言えるほど身近になったテイクアウトは、今後も安定した需要が見込まれるでしょう。

また、ほかの飲食業種と比べて既存のコンビニやスーパーとの競合はあるものの、その地域の特性や顧客のニーズに応じたメニュー展開がしやすい点で惣菜屋は有利な立場にあると言えます。

参照:2023年版惣菜白書 | 一般社団法人日本惣菜協会

開業・運営費用を抑えやすい

惣菜屋を開業するもう一つのメリットとして、ほかの飲食業種と比べて開業・運営費用が抑えやすいという点が挙げられます。

その理由は、小規模での開業が可能だからです。

基本的に店内での飲食スペースを確保する必要がなく、惣菜を調理するスペースと販売するスペースがあれば始められます。また、規模が小さいことで大勢の従業員を雇う必要もありません。このように、惣菜屋は物件取得費などの初期費用だけでなく、家賃や人件費など月々の運営費用も抑えやすいビジネスなのです。

開業・運営費用を抑えやすいことから、経営方法次第ではより多くの利益を残すことができるでしょう。

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惣菜屋を開業する方法

惣菜屋を開業する方法

惣菜屋を開業する方法はさまざまです。
主な開業方法には、

  • 店舗型
  • 宅配・デリバリー型
  • キッチンカー・移動販売型
  • 自宅型

の4つがあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自身の目指す惣菜屋に適した方法を選択することが大事です。

店舗型

まずご紹介するのは、一番基本的な開業方法である「店舗型」です。店舗型の惣菜屋は、一般的な飲食店と同様に専用の店舗を構えて商品を販売します。

店舗型の主なメリットは、以下の通りです。

  • 実店舗を構えることで存在を認識してもらいやすい
  • 立地次第では安定した売り上げが見込める
  • 出来立ての惣菜を提供できるといった付加価値をつけやすい

一方で、物件や内外装、設備導入などの費用がある程度必要になることがデメリットと言えます。また、一度開業したらその場所で営業をし続けなければいけないため、立地や物件は慎重に行うことが大事です。

店舗型で惣菜屋を開業する際には、物件の立地や周囲の競合状況、ターゲット顧客の行動範囲などを十分に考慮するようにしましょう。

宅配・デリバリー型

「宅配・デリバリー型」は店舗を構えず、オンラインや電話などで注文を受けて惣菜を直接お客様の元へ配達する開業方法です。高齢化が進む現代では、高齢者向けの配食サービスも需要があります。

宅配・デリバリー型のメリットは、専用の店舗が不要で初期費用や固定費を抑えることが可能なところ。ですが、店舗や看板などお店の存在を示すものがないので認知されるまでに時間がかかりやすいというデメリットがあります。

また、配達用に自動車やバイクなどの準備が必要な点や、配達中の商品の品質維持といった課題に対応する必要がある点にも注意しましょう。配達エリアや配達時間、配達料金設定などを事前にしっかりと計画することも大事です。

キッチンカー・移動販売型

「キッチンカー・移動販売型」はその名の通り、キッチンカーや移動販売用の車両で惣菜を販売する方法です。

イベントや観光地、オフィス街などさまざまな場所で販売が可能なのが最大のメリット。店舗や拠点を構える開業方法よりもさらに初期費用を抑えやすい点も魅力です。

一方で、キッチンカーの導入費用や営業場所の確保などが課題となります。また、営業するエリアによって必要な許可が異なる場合もあるため、各地の条例や規制を把握して適切に申請を行うことが大事です。

自宅型

小規模で開業できる惣菜屋の場合、「自宅型」という選択肢もあります。

自宅の一部を利用して開業する方法は、店舗賃料や移動費用などを大幅に抑えられることがメリットです。また、家事や育児など生活スタイルに合わせて営業することもできます。

ですが、自宅の場所や設備、周囲の環境などによっては、営業が制限される場合がある点がデメリット。さらに、飲食店としての許可を得るためには衛生管理に関する一定の基準を満たす必要があり、場合によっては大掛かりなリフォームが発生してほかの開業方法より費用がかかってしまうこともあるので注意しましょう。

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惣菜屋の開業に必要な資格・許可・手続き

惣菜屋の開業に必要な資格・許可・手続き

惣菜屋を開業するためには、一定の資格取得や許可申請、手続きが必要です。それらをしっかりと理解して適切に取得・手続きを行うことで、スムーズな開業へとつなげることができます。

食品衛生責任者

「食品衛生責任者」の資格は惣菜屋を含む飲食店を開業する上で必ず必要な資格で、食品衛生責任者がいないと店舗の運営は認められません。

食品衛生責任者は食品衛生の管理を担当する人物のことで、食品衛生責任者がいることで店舗の衛生管理が徹底され、顧客に信頼して商品を購入してもらえる環境をつくることができます。

食品衛生責任者の資格を取得するためには、各地域の食品衛生協会が実施している講習会に参加することが必要です。ただし、調理師や栄養士、製菓衛生師などの国家資格保有者の場合は講習を受けなくても食品衛生責任者になることができます。

資格取得のための費用は講習を受ける地域によって異なりますが、一般的に1万円程度です。

飲食店営業許可

次に惣菜屋の開業に必要なのは、「飲食店営業許可」です。

飲食店として営業するために必要な許可で、無許可で惣菜屋を開業した場合には食品衛生法違反となり2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されることになります。

飲食店営業許可を取得するためには、先述した食品衛生責任者の配置が必要です。食品衛生責任者が決まったら、開業する地域を管轄している保健所に申請を行い、検査に合格することで開業できます。検査に合格するには定められている設備などの基準を満たす必要があり、許可取得までの期間は申請から1ヵ月程度はかかります。開業時期を逃さないためにも、十分に余裕を持って手続きの準備をしておくことが大事です。

また、調理をした場所以外で販売するといった一部の惣菜屋では「そうざい製造許可」が必要となる場合もあるので、営業形態や取り扱う商品によっては、こちらの許可に関する手続きも確認しておく必要があります。

開業届

個人事業主として惣菜屋を開業する場合には、「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」の提出が必要です。

個人が新たに事業を開始する際に税務署に提出する書類で、開業の日から1ヵ月以内に届け出ることと定められています。

開業届を提出することで節税効果が高い青色申告が利用できる、惣菜屋名義の銀行口座が開設できるなどのメリットがあるので、忘れないようにしっかり手続きをしましょう。

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惣菜屋の開業に必要な資金

惣菜屋を開業するにあたって必要になる費用の金額はビジネスの成功を左右すると言っても過言ではないので、資金計画が非常に大事です。
果たしてどのくらいの費用が必要になるのか、開業資金(初期費用)と運営資金に分けて解説します。

開業資金(初期費用)

惣菜屋の開業に必要な初期費用は店舗の規模や立地、設備などによりますが、大まかな目安としては500~1,000万円程度と考えられます。

具体的な内訳は、物件取得費(敷金・礼金・保証金など)、内外装工事費、設備・備品購入費(厨房機器・レジ・店舗用具など)、初期の仕入費、人件費(雇用するスタッフの初月給与)、広告宣伝費などです。物件取得費や内外装工事費、設備導入にかかる費用が大きくなることが多く、無店舗営業や移動販売などを選ぶことによってより低資金で開業することができます。

また、初期費用に関しては飲食店の居抜き物件を活用する、中古の設備を使用する、開業時には最低限の人員で運営を始めるなどの方法によって抑えることも可能です。

運営資金

惣菜屋の運営に必要な資金も開業方法や店舗の規模などによって大きく変動するのではっきりとは言えませんが、毎月数百万円は必要になると考えておいたほうが良いでしょう。

具体的には店舗の賃料や水道光熱費、人件費、原材料費、広告宣伝費などがあり、運営方法や雇用状況によっても異なります。

レンタルスペースを活用する、原材料はできるだけ卸売りで購入する、必要なスタッフのみを雇用するなどの方法によって運営資金を抑えることが可能です。

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惣菜屋の開業の流れ

惣菜屋の開業の流れ

惣菜屋の開業は、さまざまな準備を経て実現します。
ここからは、具体的な開業の流れを5つのステップでご紹介します。

1.開業方法の決定とコンセプト・事業計画の作成

まずは、開業方法を決めることから始めましょう。

惣菜屋の開業方法には「店舗型」、「宅配・デリバリー型」、「キッチンカー・移動販売型」、「自宅型」などがあり、それぞれメリット・デメリットが異なります。自身のライフスタイルや投資可能な資金、顧客のニーズに合わせて選ぶことが大事です。

惣菜屋の開業方法を決めたら、店のコンセプトと事業計画を作成します。これは自身のビジョンを明確にするだけでなく、資金調達の際に必要となる重要な準備です。
コンセプト作成ではターゲットとする顧客層や提供する商品の特徴、店の雰囲気などを明確にし、事業計画は売上予想や費用試算、収益計画などを具体的に記述します。

2.資金調達と開業場所・物件の選定

次に、惣菜屋の開業に必要な資金の調達と開業場所・物件の選定に取り組みます。

資金調達の方法として挙げられるのは、自己資金のほかに金融機関からの融資、助成金・補助金の利用、クラウドファンディングなどです。借り入れを行う際には、返済計画をしっかり立てるようにしましょう。

開業場所の選定では、ターゲット顧客の生活圏内にあるか、交通の便が良いかなどの立地条件や家賃などを含めて検討します。物件選定時には契約条件をよく確認し、開業に向けた改装や設備導入が可能であるかなども確認することが大事です。

3.設備・備品などの導入

次に、設備・備品などの導入を行います。

惣菜屋の開業に必要な主な設備・備品は、調理器具や冷蔵庫、冷凍庫、レジ、冷蔵ショーケースなどです。

新品であれば数百万円の費用がかかることもありますが、中古品を導入したり、最低限の設備から始めたりする方法をとることで初期費用を抑えることもできます。

4.メニュー・価格・仕入先の決定

店舗の準備が整ってきたら、メニューや価格、仕入先を決めましょう。

惣菜屋の顔ともなるメニューを作る際には、顧客のニーズを満たすものであることと作業効率や原価率を考慮したものであることを押さえておく必要があります。

価格設定では原価率や競合他店との比較、顧客の支払い意欲などを踏まえた上で設定します。また、品質とコストを両立するための仕入先の選定も重要です。地元の生産者から直接仕入れることで新鮮さを保つとともに、コストを抑えることもできます。

5.スタッフ採用や集客のための宣伝活動

最後に、スタッフ採用と集客のための宣伝活動を行います。

スタッフ採用では惣菜屋において必要な接客スキルや調理技術はもちろん、オーナーのビジョンを共有できる人材を見つけることが重要です。募集方法や面接の進め方、研修の内容などを事前に計画してから採用活動に取り組みましょう。

また、集客のための宣伝活動は開業成功のカギを握る要素の一つです。SNSやWebサイトを活用した情報発信、チラシ配布、地元イベントへの参加など、低コストで効果的なプロモーション方法を選び、ターゲットとする顧客にアピールします。

一つ一つのステップを丁寧に進めて、自身の想いが詰まった惣菜屋の開業を実現しましょう。

儲かる惣菜屋を開業するためのコツ

儲かる惣菜屋を開業するためのコツ

惣菜屋の開業は一見すると手軽に始められそうに見えますが、成功させるためには一定のノウハウが必要です。
特にこちらで解説する「綿密な市場調査」と「独自性の確立」、そして「コストを抑えた店舗運営」という3つの要素は、惣菜屋のビジネスを儲かるものにするためのコツだと言えるでしょう。

綿密な市場調査

惣菜屋の開業を成功させるための一つ目のコツは、需要と供給を的確に見極める綿密な市場調査です。

お店の立地やターゲットとなる顧客層、競合状況、流行など多角的な視点からリサーチすることで、自店舗の強みや改善点、新たなビジネスチャンスを発見できます。

市場調査にはネットリサーチや会場調査、郵送調査、グループインタビューやオンラインインタビューなどさまざまな方法があり、これらの調査結果をもとにビジネス戦略を策定し、サービスの改善や新規メニュー開発などに反映させることが必要です。

独自性の確立

儲かる惣菜屋を開業するには、独自性の確立も欠かせません。自店舗だけの特徴や強みを持って他店舗と差別化を図ることで、お客様に選ばれる可能性が高まるからです。

独自性を出すためには、ユニークな商品開発や顧客に対する接し方、店舗の雰囲気づくりなど、さまざまなアプローチが考えられます。たとえば、地元産の食材を使った惣菜、ヘルシー志向の人をターゲットにした低カロリーメニュー、エスニックな料理を提供するなど、他にはない個性や特色を打ち出すことで顧客の心を掴むことができるでしょう。

このように店舗の独自性を出すためには、自分が提供したい価値を明確にしてそれが顧客のどのようなニーズに応えるのかを理解することが必要です。

コストを抑えた店舗運営

最後に、コストを抑えた店舗運営も儲かる惣菜屋に育てるために重要な要素となります。利益を最大化するためには売上を上げるだけでなく、コストの管理も欠かせないからです。

材料費や人件費、店舗運営費など、適切にコストを抑えつつ品質やサービスを維持するバランスが求められます。

コスト削減を図る上で注意すべき点は、品質やサービスを犠牲にしないことです。ここが崩れてしまうと顧客満足度が下がり、長期的な経営に影響を及ぼす可能性があるので十分に注意しましょう。

惣菜屋で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

惣菜屋の開業におすすめのフランチャイズ

惣菜屋を開業する場合、本部のブランド力や成功ノウハウを活用できるフランチャイズの利用もおすすめです。開業支援が充実しており、初心者でも安心して開業することができます。

ほっともっと

『ほっともっと』は、豊富なメニューとリーズナブルな価格で全国的に有名なお弁当・惣菜のフランチャイズチェーンです。

開業資金が290万円と、通常の飲食店FCの10分の1以下という低資金で開業することができます。売り上げ実績のある店舗を引き継げるので、オーナーへの負担を大幅に抑えた飲食店開業が実現可能です。

鶏笑

『鶏笑』は、からあげグランプリ最高金賞の受賞歴を持つ惣菜屋のフランチャイズチェーンです。大手企業とコラボするなど、知名度抜群の惣菜屋を開業することができます。

テイクアウト専門店なので小スペースで始めることが可能。オペレーションのマニュアル化や食材の廃棄ロスの少なさなど、効率的に利益を上げていけるビジネスモデルが確立されている点も強みです。

惣菜屋開業のまとめ

惣菜屋の開業は調理した惣菜をただ販売するだけではなく、顧客のライフスタイルやニーズに対応した商品・サービスを提供することが求められます。
今回ご紹介した

  • 綿密な市場調査
  • 独自性の確立
  • コストを抑えた店舗運営

といった顧客のニーズを的確に捉えて競合と差別化し、かつ効率的な経営を行うために重要なコツを押さえて実践することで、成功する可能性を高めることができるでしょう。

また、フランチャイズを利用して開業する方法もおすすめです。確立されたブランド力やノウハウ、本部によるサポートを最大限に活用することで、より成功率の高い惣菜屋の開業を実現することができます。

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惣菜屋の開業に関する記事

公開日:2023年07月12日

よくある質問

Q 惣菜屋は自宅で開業できますか? 回答を見る
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