フランチャイズを複数契約することは可能?複数店舗経営のコツについて徹底解説
最終更新日:2024年09月20日
近年ではコンビニやコインランドリーなどのチェーン店で1店舗目が成功すると、比較的早い段階で2店舗目、3店舗目と同業種で複数店舗を展開するオーナーが増えてきました。
1店舗目の成功でノウハウをつかみ運営もしやすく、地域でのシェアを拡大したいフランチャイズ本部とのニーズにも合致します。
では、異業種で複数契約することはできるのでしょうか。
コンビニとコインランドリーなど複数業種を展開するメリットやリスクなどをご紹介しながら、掘り下げていきます。
目次
複数業種でフランチャイズに加盟することは可能?
複数の業種でのフランチャイズ展開は契約的や運営上も基本的には可能です。
ただし、同業種の場合には契約上に競業避止義務などが定められているケースも多く、複数加盟は難しいです。
たとえば、Aチェーンのコンビニに加盟しながら、Bチェーンでも店舗を持ちたいというのは地域が近いほど拒否されることが多いでしょう。
地域内で自分のお店どうしでシェア争いをするリスクがあるほか、本部としても自社のノウハウを利用されることをリスクと捉えて、十分な支援が受けられないことも考えられます。
一方、異業種であれば、複数に加盟することはそれほど難しくありません。
たとえば、整体サロンのチェーンに加盟しながら、短時間フィットネスのチェーンにも加盟したり、酸素カプセルやセルフホワイトニングなどのチェーンに加盟したりして、お客さまに提供できるサービスを多様化することが可能です。
そこで、複数の異業種フランチャイズに加盟するメリットやデメリットを次の章でチェックしていきましょう。
複数店舗経営でフランチャイズ契約するメリット・デメリット
複数の異業種展開は契約管理や運営が大変そうと思われるかもしれません。
そこで、複数業種展開におけるメリットとリスクについて詳しくみていきましょう。
複数店舗経営で開業するメリット
それでは実際、複数店舗経営で開業するメリットがあるのかについて解説していきます。
1つの店舗より効率よく売上が増加できる
1店舗目を成功させた段階で、別の業種で2店舗目を出店すれば、更なる売上アップが期待できます。
ターゲット層の異なる客層の業種を選んだり、出店エリアなどを異ならせたりすることで新しい商圏を獲得することにより、直接的に売上の増加が見込めるわけです。
異業種であっても、関連する業種にすることでサービス多様化による売上アップも期待できます。
失敗のリスクを拡散できる
業種をはじめ、ターゲット層やエリアなどを異ならせて複数店舗展開することで、リスクの分散ができます。
業界の需要が下がったり、景気変動や地域の人口変動などが生じたりしても、全てのお店が同時にダメージを受けることなく、売上の下支えができるのがメリットです。
美容業にダメージを受けても、飲食業がサポートするなどトータルでの収益が期待でき、リスクをうまく分散できるのが魅力です。
さまざまな業種でのノウハウの蓄積、事業拡大に役立つ
複数業種の運営でさまざまな業種のノウハウが蓄積し、独自の店舗の起業など新規事業の立ち上げなどつながるなど、経営ノウハウが磨けます。
将来的に法人化するなど、事業の拡大も期待できます。
複数店舗経営で開業するデメリット
反対に複数店舗経営で開業するデメリットを解説します。
資金がかかる
新たにフランチャイズ契約を結んで出店するには、手間や時間もかかり、加盟金や店舗の取得費やテナント料、改装費用や備品や什器、設備の購入やリース費用、人材の採用コストや教育コストが発生します。
そのため、1店舗目がなんとなくうまくいったからと調子に乗って出店してはいけません。
1店舗目で十分に利益を蓄え、万が一、2店舗目がうまくいかなくてもダメージが少ない状態にしたうえでのチャレンジがおすすめです。
人材の確保が難しくなる
今の時代はどの地域も、どの業種も人材不足に悩んでいます。
経営管理をスムーズに行うには地縁のある同じ地域で複数店舗を出店する方が多いです。
オーナーは同じでも、人材獲得のうえではライバル店になってしまいます。
人材を確保できたとしても、チェーンならではのどのお店も同じサービスを提供するためのノウハウを身に付けてもらう教育も必要であり、コストも時間も要します。
業種によっては経営が難しい場合もある
業種によっては契約形態やオーナーのスケジュールの都合で難しいケースも少なくありません。
新たに加盟する前に複数業種で店舗展開して成功しているオーナーがいるかや、エリアでの競合、契約的に可能なのかなどを慎重にリサーチしましょう。
複数店舗経営に向いている業種とは?
異業種で複数のフランチャイズを展開するメリットやデメリットを踏まえると、比較的業務の平準化が進んでおり、取組の容易性が高い業態であれば、複数店展開するハードルが低いといえます。
そこで、具体的にどのような業種が複数業種展開に向いているかをまとめてみました。
飲食業
飲食業のチェーン店は業務のマニュアル化が整っており、オペレーションの平準化がなされているため、経験がない人材でも一定の研修を受けることで早期に即戦力として働くことが可能です。
同じ業態でのアルバイト経験がある人も確保しやすく、オーナーがノータッチでも店長やバイトリーダーだけで店舗を回してくれる期待が持てます。
ハウスクリーニング・リペア業
ハウスクリーニングやリペアなどの技術業は一般的に1人~少人数での開業が可能です。
事業所を持たず、ネットで依頼を受けて出動する体制をとることで開業費用もランニングコストも抑えられます。
DIYが得意なオーナーなら、成功している飲食店などをスタッフに任せることや趣味の延長で収入アップも可能です。
コインランドリー・無人経営が可能な業種
どの業界でも人材不足は大きな課題であり、同じオーナーの店舗でも人材獲得競争が生じかねません。
かといって、違う業種の新店に既存の人材を派遣するわけにもいかず、新店の人材に応募してきた人を既存店に回すこともできません。
近年注目を浴びているコインランドリーやフィットネスジムなど無人経営ができるお店なら、人材確保の問題をクリアできるのが魅力です。
資格者が必要など特定の人材がいないと展開できない業態の場合、人材の確保などが難しくなるので、マニュアル化や低コスト運営、無店舗経営がカギを握ります。
フランチャイズが複数業種で開業しやすい理由
フランチャイズでの起業は、何もない状態でイチから起業するのとは異なり、本部が用意してくれるノウハウを使えるうえ、経営が初めてという方でも経営アドバイスやサポートを得られるの点で大きなメリットがあります。
ノウハウを築くには時間とお金がかかるわけですが、契約を結んで加盟料を払うだけで、成功実績のあるノウハウを手に入れることができます。
個人でイチから会社を立ち上げるよりリスクが小さく、短期間で黒字経営へと転換する成功率も高いのが魅力です。
近年ではフランチャイズのノウハウで経営者としての腕や能力を磨き、複数業種を展開して大成功を収めているメガフランチャイジーも増えてきました。
いくつかの異なる業種のフランチャイザーに加盟し、2桁以上の店舗数を経営しながら、億単位での年商を稼ぎ出す大規模なフランチャイジーオーナーです。
リスクの分散や節税対策などの見地からグループ企業形態にするケースも増えており、経営をつかさどるオーナーの親会社の下に複数の異なるフランチャイズ店が法人化されて運営されているケースもあります。
利益が増えると節税対策も兼ねて、新たなフランチャイズ契約を結んで法人を増やす、やり手のオーナーも少なくありません。
そこまで行くには努力も労力も必要ですが、その第一歩が1店目のチャレンジであり、それを成功させての2店目の業種選びにかかっています。
フランチャイズを複数店舗契約する際の注意点
フランチャイズビジネス、一般事業を問わず、多店舗経営で成功するためにはまず1店舗目の事業で着実に結果を出すことが大切です。
1つの事業も成功できない経営者が、こちらがダメだからと2店舗を出したり、もっと稼ぎたいだけの一心で無計画に3店舗目を出したりしても利益を出すことはできないばかりか、新店舗失敗の損失のあおりを受けて全店全滅の事態にもなりかねません。
本部がバックアップしてくれるから大丈夫と調子に乗って複数店舗を展開したところで、他店の損失までカバーしてはくれませんし、別の
経営ノウハウやアドバイスが通用するものではありません。
まずは1店舗目の事業を軌道に乗せて利益を確保し、店舗経営が安定してしっかりと利益が出始めた段階で、多店舗経営を視野に入れるようにしましょう。
通常、フランチャイズ契約においては契約期間中および契約終了後の一定期間にわたって同種もしくは類似の事業を営むことを禁止する「競業避止義務」が課されます。
本部が持つ経営ノウハウの流出を防ぎ、既存加盟店の優位性や利益を保護する目的があり、違反すると訴えられて損害賠償請求されるリスクもあります。
そのため、新しいフランチャイズに加盟したい場合には、現在の契約と新たな業態でのルールを精査し、互いに競業避止義務違反にならないかをしっかりチェックしましょう。
同業種は分かりやすいですが、類似した事業の判別は難しいので、直接本部に問い合わせてみるなど慎重な配慮が必要です。
フランチャイズの複数店舗経営についてまとめ
複数業種のチェーンで多店舗展開しやすい理由とそのメリット・デメリットについてご案内してきました。
起業の成功確率が高くて多店舗化もしやすいというのは、フランチャイズに加盟して起業をする最大のメリットです。
1つずつ成功を収めて、将来的にメガフランチャイジーを目指すならば、まずは何よりも優れたフランチャイズの本部と出会うことがポイントになります。
準備の段階から起業家としての意識をしっかりと持ち、成功する確率が高いフランチャイズを慎重に見極めましょう。
良いフランチャイズとの出会いを重ね、経営努力を続けていけば、メガフランチャイジーも夢ではありません。
公開日:2022年08月22日