ケータリングフランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
最終更新日:2020年07月13日
ケータリングフランチャイズでは、お弁当やコーヒー、パーティー、法事の食事など扱うジャンルもさまざまで、本部によって開業資金や運営資金が異なります。
そこで今回は、ケータリングのフランチャイズを始めるために必要な加盟金や店舗関連費、車両関連費などの開業資金(初期費用)、人件費や原材料などの運営資金を詳しくご紹介。
ケータリングフランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ケータリングフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
ケータリングフランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安
ケータリングフランチャイズの開業に必要な資金の目安は、約660万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。また、オーナー1人でもできる車両でのケータリングを想定しています。
ケータリングのジャンルによっては店舗を構える場合はもあり、その場合は開業資金や運営資金も大きく変わってきます。
また、加盟先によってロイヤリティの負担も大きく異なるため、各本部のロイヤリティの仕組みや金額をしっかり確認しておきましょう。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
加盟金 | 30万円 |
車両関連費 (車両取得費・内装工事費・設備費など) |
420万円 |
保証金 | 8万円 |
研修費 | 50万円 |
合計 | 508万円 |
<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>
項目 | 金額 |
---|---|
原材料 | 78万円 |
人件費 | 51万円 |
出店料 | 9万円 |
他経費 | 6.6万円 |
ロイヤリティ | 7.65万円 |
合計 | 152万円 |
※月間売上85万円、ロイヤリティ3%と仮定し、各項目を計算しています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
ケータリングフランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)
ケータリングフランチャイズの開業に必要な資金(初期費用)には、加盟金、店舗関連費、車両関連費、保証金、研修費などが挙げられます。
加盟金
ケータリングフランチャイズの開業に必要な加盟金は、30~300万円程度です。
加盟金とは、フランチャイズ本部のブランド使用料、店舗運営のノウハウやサポートへの対価として支払う費用のことです。必要なサポートが提供されているかは事前によく確認しておくことが必要です。
車両関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)
ケータリングにはさまざまなジャンルがありますが、コーヒーのケータリングのように専用車両のみで開業できるフランチャイズ本部の場合、車両取得費や内装工事費、設備費などの車両関連費が420万円ほどかかります。
新車・中古車、車種などの条件によっても変動するので、本部指定の車両を購入・レンタルするのか、オーナーが自由に選べるのかなども確認しておくとよいでしょう。
また、パーティーや法事などで料理やお弁当を提供する店舗が必要な本部の場合は、店舗関連費として約400万円必要です。
料理を作る必要がある場合は、店舗のほかに厨房機器や設備を整える必要がありますが、本部によっては、工場で作った料理を提供する場合もあります。その場合は、厨房機器や設備は必要ないため、店舗にかかる費用を抑えることが可能です。
保証金
ケータリングフランチャイズに必要な保証金の目安は、8~100万円です。
保証金とはフランチャイズ本部に預ける一時金のことで、加盟店契約を解除した際に返還されます。商品の仕入れ代金やロイヤリティの支払いに債務不履行が生じた場合、保証金より該当金額を差し引かれることになります。
研修費
研修費は、ケータリングフランチャイズの本部により異なりますが、約50万円を目安に考えておくとよいでしょう。
加盟金の中に研修費が含まれている場合など本部によって異なるので、事前の確認が必要です。
ケータリングフランチャイズに必要な運営資金
ケータリングフランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の5つです。
- 原材料
- 人件費
- 車両維持費
- 賃貸料
- ロイヤリティ
ケータリングのジャンルによっても料金が異なりますのでしっかり確認しておきましょう。
原材料
ケータリングフランチャイズでは、原材料は扱う商品により異なりますが、1ヵ月あたりの売上の30~40%を目安に考えておくとよいでしょう。
ケータリングでは配達する際に容器やトレー、カトラリーやラップ類などの梱包資材も必要になります。これらの梱包資材費も含めて必要な資金を計算しておくことが必要です。
人件費
ケータリングフランチャイズにおける人件費は、1ヵ月あたりの売上の20%程度が目安と考えられます。
ケータリングする会場の規模の大きさによっては、人員が必要となり人件費が増えることもあります。また、オーナーのみで対応できる場合もありますので人件費や従業員の採用についてはあらかじめ計画しておくことが必要でしょう。
車両維持費
ケータリングではバイクや自動車で配達を行うことになります。
扱う車両の種類や台数にもよりますが、1ヵ月あたり売上の3~5%程度で見積もっておくとよいでしょう。
ガソリン代や駐車場代の他に、自動車保険料・自動車税・整備点検・車検費用などの車両維持費も運営資金として考えておく必要があります。
賃貸料
賃貸料については、開業するケータリングの形態によって金額が大きく異なります。
賃貸物件を借りて料理を用意する場合は、大きな設備投資と毎月10万円程度の賃貸料がかかります。賃貸料は物件の広さや立地により大きく変わりますので予算とのバランスを考える必要があります。
一方で、自宅を事務所として工場で作る食事をケータリングする場合は毎月の賃貸料は発生しません。店舗関連費や設備費もかかりませんので運営資金を抑えられます。
ロイヤリティ
ケータリングフランチャイズのロイヤリティは、1ヵ月あたりの売上の約3~5%発生します。
ロイヤリティには集客部分や開業後のサポート料が含まれますので、内容をしっかり把握しておくとよいでしょう。
なかには、ロイヤリティだけでなく「事務手数料」や「情報システム使用料」などの名目で毎月フランチャイズ本部への支払いが発生する場合もあるため事前によく確認しておくと安心です。
ケータリングフランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
大きなエスプレッソマシンを搭載した軽自動車で最高級のコーヒーを提供している「MOTOYA EXPRES(モトヤエクスプレス)」の場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)
今回は、1ヵ月あたりの売上高が約85万円の店舗をモデルに算出しています。
総粗利益高
59万円
=85万円(売上高)ー26万円(原材料費)店利益
51.3万円
=59万円ー7.7万円(出店料、ガソリン代など)
上記のシミュレーションは、オーナー1名運営を想定しています。
特に、無店舗・オーナー1名で接客できるケータリングフランチャイズ本部の場合、店舗関連費や人件費などの開業資金・運営資金を抑えられるので、利益が出しやすくなります。
ただし、出店場所によっては売上を左右される場合があるので、本部にアドバイスや紹介をしてもらえるかもよく確認しておくと安心です。
費用面だけで判断せず、サポート体制もしっかり見極めたうえで選ぶよう心がけましょう。
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公開日:2020年07月13日